「常設展が素晴らしい美術館10選」part4
今回ご紹介するのは山梨県甲府市の「山梨県立美術館」です。
地方の県立美術館と聞くと、
「地方でそんな良い絵が観られるの?」
「県立美術館って地味じゃない?」
と感じる方も多いですよね?
そんな不安を、この山梨県立美術館は良い意味で裏切ってくれます。
この記事では、全国10都府県&20ヶ所以上の美術館を訪れた経験のある筆者が、「山梨県立美術館」の魅力を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
- 山梨県立美術館には、都会の美術館に負けないコレクションがあること
- 山梨県立美術館には、都会の美術館では味わえない快適さ・静けさがあること
都会の美術館も素晴らしいけど、どうしても混んでいて疲れてしまう・・・そんな風に感じている方がいたら、この記事はピッタリの内容です。
きっと、「今度は地方の美術館にも行って見よう」と、新しいモチベーションが湧いてくるはずです。
山梨県立美術館の個人的レビュー
まずは、山梨県立美術館を何度も訪れた筆者の個人的なレビューから行きましょう。
- 充実度 ★★★★☆(ミレーとバルビゾン派に特化)
- アクセス ★★★☆☆(新宿から約2時間)
- 快適度 ★★★★★(広々として快適・周辺環境も最高)
- 観覧料 520円(高校生以下・65歳以上は無料)
- 撮影 基本NG

山梨県立美術館の見どころ
山梨県立美術館は、日本でも数少ないミレーの常設展示を充実した環境で楽しめる美術館です。
ミレーはモネやゴッホと比べると知名度はかなり低いですが、彼ら印象派・ポスト印象派の先輩に当たるミレーも、フランス絵画の歴史で重要な役割を果たしました。
- ミレー 「人間の営み」を真正面から描く
- モネ 「光」や「一瞬の移ろい」を鮮やかに描く
- ゴッホ 「苦悩」と「希望」を独自の視点で描く
ミレーは、農民の生活に注目した作品を多く残しており、「落ち穂拾い」などが特に有名です(ゴッホはミレーの《落ち穂拾い》に感銘を受け、それをオマージュした作品を後に描きました)。
赤のミレー館の魅力
そんなミレーの作品を、山梨県立美術館は展示室の一つを「ミレー館」と名付け、贅沢に飾っています。その規模は本場フランスにも匹敵すると言っていいでしょう。
美術館の常設展は、たいてい淡いベージュの壁紙に絵が飾ってあるのですが、こちらのミレーの展示室は凛とした赤。
少し昂るような気持ちでミレーの作品を堪能できます。
青のバルビゾン派コレクション
一方、その奥にはミレーと同じ時期に活躍した「バルビゾン派」と呼ばれる画家たちの作品が、これまたたくさん飾られています。
先ほどの赤とは対照的に、バルビゾン派の展示室の壁は理知的な青。
そこに並ぶのは、コローやルソー、ドービニーと言った日本ではあまり認知されていない画家たちですが、間違いなく後のモネやゴッホに影響を与えた画家たち――そんな先輩画家たちの作品がずらりと並びます。

アクセス
最寄り駅は甲府駅で、そこからさらにバスで約15分の場所にあります。
新宿から中央線の特急「あずさ」「かいじ」に乗れば、トータル約2時間のアクセスです。
少し時間はかかりますが、新宿から一本で行けるので不便さは少ないです。
以前、筆者が日帰りで行った際は、
- 10時 新宿駅 出発(中央線・特急「あずさ」号)
- 11時半 甲府駅 到着 → バスで移動
- 12時 山梨県立美術館 到着 → 館内レストランでランチ
- 13時 美術鑑賞タイム → その後は「芸術の森」の散策タイム
- 15時 最寄りのバス停から再び甲府駅へ
- 17時 新宿駅 帰着
こんな感じで、他にはどこにも寄らないシンプルプランで行きました。
混雑状況とレストラン
都内ほど知名度は高くありませんが、その分、常に空いています。
特別展の開催中に足を運んだことがありますが、都内のように作品を観るのも一苦労なんてことはありませんでした。
それから、軽く触れる程度に留めますが、こちらの美術館には美味しい洋食レストランがあります。お昼時は少し混む印象ですが、ぜひ一度食べてみてください。
天気が良い日は窓から燦々と陽が差し込んで、優しい気持ちで昼食を楽しめます。
本場フランスにも負けない周辺環境
山梨県立美術館は「芸術の森公園」という広々と開放的な敷地のなかにあります。
公園内にはバラ園もあり、芸術鑑賞の後のお散歩にもピッタリな環境です。
さらに、美術館と向かい合うようにして、「山梨県立文学館」もあり、まさに文化芸術の癒しスポットといったところです。
そして、現地に行ったら是非観て欲しいのが、美術館の入り口近くの林にそっと設置してあるこちらの記念碑。

右側がミレーで、左側はルソーという同時期に活躍したバルビゾン派の画家なのですが、実はこの記念碑は本番フランスのバルビゾン村に設置されたもののレプリカなのです。
そもそも「バルビゾン派」という名称は、このバルビゾンというフランスの片田舎を拠点として創作をおこなった画家たちのことで、今ではその歴史を讃えたモニュメントとして、これと同じものが現地にはあるそうです。
そんな本場の記念碑をわざわざ日本の山梨に飾るなんて、何だかとても不思議な繋がりだと思いませんか?
自然豊かな山梨県立美術館でミレーとバルビゾン派を楽しもう
いかがでしたか?
今回は、モネやゴッホと言った超有名画家ではなく、ミレーを中心としたバルビゾン派を楽しめる山梨県立美術館を紹介しました。
- 都内の混雑した美術館に疲れた方
- 印象派よりも前の画家を知りたい方
- 静かな環境で美術鑑賞したい方
中央線で新宿から約2時間。
週末、「少し静かな場所に行きたいな」と思ったら、ぜひ山梨県立美術館を候補に入れてみてください。
ちょっとした小旅行にはなりますが、広大で自然あふれる公園で静かに美術鑑賞を楽しむことで、日頃のストレスを忘れる――そんな素敵な体験を得ることができますよ。







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