「常設展が素晴らしい美術館10選」part8
今回ご紹介するのは広島市の「ひろしま美術館」です。
広島の美術館と聞いても、
「広島の常設展に良い絵があるの?」
と感じる方も多いですよね?
そんな不安を、このひろしま美術館は、思いっきりで裏切ってくれます。
この記事では、全国10都府県&20ヶ所以上の美術館を訪れた経験のある筆者が、「ひろしま美術館」の魅力を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
- ひろしま美術館は、他の観光名所と組み合わせて行きやすいスポット
- ひろしま美術館には、ゴッホの最晩年の作品がある
- ひろしま美術館では、印象派だけでなくポスト印象派も楽しめる
東京の美術館は素晴らしいけど、どうしても混んでいて疲れてしまう・・・
広島の旅行に行くけれど、美術館は後回し・・・
そんな風に感じている方がいたら、この記事はピッタリの内容です。
きっと、「今度広島に行ったら、ひろしま美術館にも行って見よう」と、新しいモチベーションが湧いてくるはずです。
ひろしま美術館の個人的レビュー
まずは、現地を実際に訪れた筆者の個人的なレビューから行きましょう
- アクセス ★★★★☆(広島駅から約20分)
- 充実度 ★★★★★(ゴッホの最晩年作品あり)
- 快適度 ★★★★★(ドーム型の建物が印象的)
- 観覧料 1,000円
- 撮影 OK(一部を除く)
中心街からの好アクセス
ひろしま美術館は広島駅から徒歩又はバスで約20分の好立地です。
駅から徒歩でまっすぐ行く場合も、路面電車を使っていく場合も、だいたい同じくらいの所要時間ですので、お好みのスタイルでアクセスできます。
また、広島城や縮景園、平和記念公園などの観光名所も、すべて徒歩10〜15分圏内に収まっているため、観光で歩き疲れたときの休憩スポットとして立ち寄ることもできます。
ちなみに筆者が前回ひろしま美術館に行ったのは、近くの「広島グリーンアリーナ」で開催されるコンサートまでの待ち時間を利用してのことでした。
関東から広島までは距離がありますが、一度広島に着いてしまえば、旅行プランに組み込みやすい美術館と言えるでしょう。
【必見】ひろしま美術館でしか観られないゴッホ最晩年《ドービニーの庭》
ひろしま美術館の「顔」とも言える作品――
それは、ゴッホ最晩年の一作《ドービニーの庭》です。

以前、SOMPO美術館に関する記事でも触れましたが、ゴッホは1890年の夏に拳銃自殺によりこの世を去ります。
《ドービニーの庭》は、彼が亡くなったその月に描かれた作品で、「遺作」と呼んでも良いかも知れません。
ゴッホは生前この絵を3枚描いたとされ、そのうち1枚がひろしま美術館に飾られています。
以前筆者が現地を訪れた際にスタッフの方から伺ったお話では、この《ドービニーの庭》は、同館に迎えられて以来、事故などの万が一のリスクを考慮して、一度も他の美術館へ貸し出されたことが無いそうです。
この貴重な絵が観られるのは、ひろしま美術館だけ――ぜひ広島へ旅行に行った際は、立ち寄ってみてください。
《ドービニーの庭》をさらに楽しめる背景知識
《ドービニーの庭》というタイトルの「ドービニー」というのは、実は地名ではありません。
ゴッホやモネたちよりもおよそ1世代前に活躍した画家・シャルル=フランソワ・ドービニーの名に由来しています。
ゴッホは亡くなる直前に、この先輩画家の邸宅を訪ね、その風景を絵にしたのです。
村内美術館に関する記事でも触れましたが、ドービニーは生前より当時の伝統的な権威(アカデミー)に認められた画家でした。
それにもかかわらず、彼は当時「異端」とされたモネたち「印象派」を積極的に擁護し、ある時は、印象派を認めないアカデミーに反発して名誉あるサロン(官展)の審査員を自ら辞職するほどでした。
ゴッホがドービニーの邸宅を訪ねた頃には、既に彼はこの世を去っていました。
一体どんな気持ちでゴッホはドービニーの邸宅を訪ね、そして庭を絵に描こうと思ったのか――
そんなことを想像しながら鑑賞するのも有意義だと思います。
ゴッホだけじゃない。モネやルノアールも充実
ひろしま美術館の見どころはゴッホだけではありません。
これまで繰り返し紹介してきた印象派の巨匠・モネやルノアール、ピサロの作品も多数所蔵しているほか、セザンヌ、ゴーギャンやスーラなど、いわゆる「ポスト印象派」まで幅広いコレクションを網羅しています。
これだけ豊富なコレクションを有している美術館はなかなかありません。
普段は印象派しか観ない――そんな方も、きっと新たに好きな画家・作品と出会えるはずです。
ドーム型の建物が印象的
ひろしま美術館は、原爆ドームをイメージしたドーム型の建物となっており、本館に4つある各展示室もそれぞれカーブを描いた独特の形をしています。

(筆者撮影)
ふつうの美術館は、入口から入って順路に沿って観て歩き、そして出口へ――という流れになると思いますが、この美術館はドーム型になっているため、いつまでもグルグル館内を巡ることができます。
また、本館の中央は天井から自然光を取り入れられるようになっていて、時間帯や天候によって館内の雰囲気が微妙に異なるのも、魅力のひとつです。
一般的に、油絵は日光を長期間浴びると変色してしまうので、美術館はたいてい暗めに調整されているのですが、ひろしま美術館は積極的に陽の光を取り込もうとしているように感じられます。
印象派の「光」への眼差しを追体験できる――そんな素敵な仕掛けですね。
広島へ行ったらついでにひろしま美術館へ
いかがでしたか?
今回はひろしま美術館の見どころを解説しました。
ゴッホ最晩年の《ドービニーの庭》――この絵には、SOMPO美術館の《ひまわり》が放つ燃えるような輝きはありません。しかし、静かで穏やかな、それでいてゴッホらしい大胆な筆使いを感じるられる一作です。
平和記念公園や広島城を歩いたあと、少し静かな時間を過ごしたくなったら――ひろしま美術館は、きっとその気持ちに応えてくれます。
そしてぜひ、ゴッホの絵をじっくり眺めてみてください。
きっとあなたの旅の思い出に、いつもとは違う記憶を残してくれますよ。







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